『生きづらい』なら、メキシコをみろ!(メキシコ面白豆知識)

体験談, 工藤シンクの世界, 文化

責任感が強く生真面目で、周りの目を気にする日本人。
楽観的でノリ重視、細かいことは気にしないメキシコ人。

日本の常識や価値観はメキシコでは全く通用しないことも多く、そこには〝目から鱗〟なポイントもたくさんあります。

もしもあなたが日本で窮屈な想いをしているならば、メキシコのノリを味わってみては!?
(※2014年にメキシコを旅し見聞きした体験をもとにしているので、この情報には古さや偏りがあるかもしれません)

● 胸を張って、世界一の無責任!?

ノリ至上主義なメキシコ人たちは、プライベートだろうが遊びだろうが、仕事だろうが政治だろうが、みんな約束を守らない。
約束の時間だろうが、仕事の納期だろうが、政治の公約だろうが、、、全然守らない。
全員がそんなノリだから、それが問題でもないという安定したカオス社会です。

そんなわけでアメリカ主導の資本主義ビジネス界からは「メキシコ人は世界一無責任だ!」と非難もされるんですが、そんなときに必ず飛び出す常套句は、
『なにいってるの? 俺たちが一番責任感があるじゃないか、、、イマココ目の前を本気で生きてるんだから!』です。

目の前に楽しいことがあれば、、、困っている人がいれば、、、目の前を本気に生き続ける、、、気軽にノリで生き続ける、、、それがメキシコ人です。

 

●『リア充』しかない!?

メキシコ人には日本人のいう[リア充]をいくら説明しても理解してもらえません。
[イマココ]を謳歌し生きるでしかない彼らには、逆に『リアルには充実していない』という日本のトリッキーな世界観は想像もつかないみたいです。

貧困層が大多数なうえノリと刹那で生きるメキシコ人たちは、そもそも『働く』ことすら重んじていなく、日本でいう[ニート][就活]など、、、、[婚活]や[鬱]みたいな概念すら理解不能なんです。

 

● 教習所がない!?

メキシコでは教習所で交通ルールや運転技術を学んでから免許を取得するという義務はなく、運転免許証はスーパーなどにある出張所でだれでも数千円で手にいれられるというイージーさ。

実際、メキシコ人の運転は野性的で、日本と比べるとメチャクチャです。
ぶっちゃけ、信号の意味さえわかっていればなんとかなる、、、みたいな。
とはいえ、事故率が多いかといえば、そこまででもないんです。
誰も事故りたいわけではないですし、ルールにとらわれない運転がみんなのセオリーでしかないわけですから、それはそうでしょう。

日本の常識で考えるとびっくりですが、、、冷静に考えたら『誰でも簡単に遠くに移動できる』発明が〝自動車〟なわけですから、メキシコ人からしたら日本が過保護すぎるともみえるわけです。

 

● 足し算しかできないのに!?

メキシコ人は全般的に教育が行き届いてないので、足し算しか出来ない人が多いです。

金勘定でも、屋台で300ペソのものを500ペソ札で払ったら『200ペソのお釣り』を僕らは引き算ですぐに導けますが、、、お釣りの200ペソをパっと出そうとすると『おいおい、ちょろまかすなよ?』という感じでペソ札を足していき、『400、500、、、…あぁ、確かに200ペソだな』という具合です。

…たしかにそれで問題ないですし、みんながそうならそれはそれ。

足し算だけで人生を謳歌しきるのは目から鱗ですし、それでいい気さえしてくるもので、、、むしろ『頭がいい』とすら感じてしまいます。

 

●『仕事が全て』ではない

店員さんがレジに座りながらゲームに興じる、、、工事現場で5人働いていたら2人が動き3人はみているだけ、、、みたいなことはよくある光景。

経営者にしても「生産性の無いコト」に1/3の時間を費やすのなんてのは大前提… 80%が無教養な貧困層という社会で経済を巡らせるということは、そういうことでもあります。

メキシコのラテン系な刹那主義、楽観主義は、資本主義業界に染まった国からは怠惰、無知、無学の象徴とされてきましたが、メキシコ人にしてみれば『人生のほとんどを充実なきことに明け暮れるほうこそが馬鹿げている!』のです。

 

● 家事は仕事ではなく〝仕事〟にまかせる

都市部では特に、掃除洗濯などは家政婦にまかせて当たり前。
貧困層の人件費はありえないほど安いですし、そうすることで『貧困層にお金を巡らせる』という当たり前の文化ともいえます。

庶民の台所は屋台でタコス(安い)! な文化でもありますから、料理においても日々のタスク感はあまりありません。

 

●ムーブメントが起きづらい

周りの目や流行を過度に気にする日本人と違い、みんなそれぞれに〝自分の好きなライフスタイル〟を謳歌しているメキシコ人。

ですから、音楽やファッションなど『流行をつくってみんなが飛びつく』という現象が起きづらいのです。

広告代理店の戦略どおりにならないし、マーケティングも難しい。
メキシコでビジネスを展開する人は、『ブームがつくれない』ことに悩みます。

 

 ● サルサ!!

サルサバンドが演奏すると、そのつど、その場にいた男女がつがいになり、踊り出す。
男は女をエスコートし、女は男に身を委ねる…そうやってフィーリングを感じつつ、カップルがうまれていくんですね。
僕も挑戦したんですが、てんでダメでした、、、産まれもってのリズム感、男女の情念、、、やはり盆踊りのDNAといいますか。

日本では[ダンス禁止法]などというものができて、確かサルサ教室が取り締まりを受けてたな? と、調べてみたんです。
そしたらタンゴ教室が取り締まりを受けていたんですね、その際の警視庁の発表は『男女の情感を著しくさかなでる』とのことでした。
男女の情感を著しくさかなでる! ためのダンスなんですけどね。

「日本は法律で踊りを規制してるんだよ」と話したら、目の前のギャルたちが手首をくっつけたまま激踊りを始めるんです。
「捕まっても踊り続ける練習」とのこと、、、その娘たちは日本に行ってみたいと夢みていました。

● 政治家が命を張っている

マフィアの国ということでもありますが、メキシコの政治家は殺されまくります。

日本だと政治家は〝お仕事〟であイメージがありますが、メキシコでは命を張ったガチな現場です。
『民衆のトップに立つ』ということは、そういうことであるのもまた本質の気もします。

メキシコ人に『日本では首相官邸デモに○○万人集まった・・・』などの話をすると、『なんで殺さないの?』と笑われるのもまた、笑い話ではないかもしれません。

● ノリで生きる! 根底にみる虚無感

メキシコ人の多くは、白人と先住民との混血〝メスチソ〟です。
そこには侵略してきたスペイン人たちが先住民たちをレイプして産まれた子孫たち、、、という民族の根底にある虚無感があるようにおもいます。
それがメキシコ人たちの刹那的な生き方にも影響していることでしょう。

逆に日本はこのれまで2000年以上の歴史で侵略され大きく塗り替えられた経緯がないので、ギネスブック認定の『最古の国』でもあるんです。
僕らが日本という島国でみなを家族とおもい、平和ボケしていられるのも、その意味では素晴らしい宝だと。

アメリカは世界のメインストリームとして君臨しますが、その歴史はたかだか200年チョイということも興味深いです。

●〝愛〟と〝嫉妬〟は同義語

メキシコに限らず、情熱大陸南米では 「執着こそ愛」…愛と嫉妬は同義語みたいなものだったりします。

愛する人に裏切られたから刺す! みたいな事件も多いです。

意識高い系の日本人には下らない情緒にみえるかもしれませんが、高尚な倫理や理屈ではなく『感情に生きる』という美学も否定できるものではない気がします。

 

● 賄賂が当たり前の社会…警察もお金で動きます

政治・行政からビジネスシーン、なんと警察までもがお金で動く、、、むしろ〝賄賂が大前提〟なのがメキシコ社会。

取り締まりを受けても警官にお金を払えば、大概のことは許してくれます。
むしろ警官は『賄賂を貰うために取締りをする』とすら。

日本だとありえないですが、それがメキシコ。

逆に日本のシステムと日本人の生真面目さは本当に凄いですね。

 

● ゴミの分別は[土に還る][土に還らない]のふたつ

メキシコのゴミ捨て場。[Organica(有機)]と[Inorganica(無機)]の二種類しかない。

ゴミの分別は[土に還る][土に還らない]のふたつしかない。
スペイン語では[ORGANICA]と[IN OGANICA]、つまり『オーガニック(有機物)か、違うか』ですね。

日本の概念だと「なんて大雑把な!」となりますが、地球的には普通に正し気もします。

 

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