『ありがとう』の無い世界

哲学, 工藤シンクの世界, 文化

オーストラリアの先住民、アボリジニには『ありがとう』という言葉がありません。

アボリジニは共同体として〝ひとつ〟で生きていますので、助け合うのは当たり前であり、『わたしのもの』『あなたのもの』という概念もなければ『わたし』『あなた』という意識すらないのかもしれません。

まさに〝個にして全、全にして個〟という世界観ですね。

感謝がないわけではなく、感謝しかないということ。

感謝が当たり前ということです。

 

逆に興味深いのは、日本のほう。

日本語の『ありがとう』の語源は『有り難い』です。
有るのが難しい、つまり『有り得ない』ような事に対する言葉。

さらに興味深いのは、『ありがとう』の反意語が『当たり前』だということ。
『有り難い』の反意語ですから。

アボリジニにとっては『ありがとう』が当たり前なのに、、、

 

僕らは当たり前のように、社交辞令のように『ありがとう』を簡単に使います。

全てが当たり前のように有り難く、奇跡と感謝に満ちるこの世界で。

『ありがとう』は感謝の込もる素晴らしい言葉。

その本質をみつめなおしてみるのもまた、味わい深いのではないでしょうか。

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